ベンチ外だより

バスケについて書いています!Bリーグのハピネッツを応援しているので、そのことについて書くことが多いです。記事に書いてあることは自分なりの価値観に基づくものです。かなり変わってるものもあると思いますがご容赦下さい。

バスケは苦悩している選手が大一番で活躍できる

ハピネッツ昇格おめでとう!!!!!!

 

とてもハッピーでございます。

待ちに待った目標達成。

本来なら長く苦しい戦いだが、ペップの戦術と若手の成長のおかげで退屈することは少なかった。

 

だけど、みんながみんな大活躍、成長できてるわけじゃない。

谷口大智が明らかに一番今シーズン苦戦していたと思う。

 

彼はB1を知る戦力の1人であり、ポテンシャルのことも考えるとB2では大活躍間違いなし、と予想する人もいたのではないか。

俺も谷口が契約更新してくれた日はとても嬉しかった。他のチームからいいオファーがあってもおかしくなかった。

 

しかし、今シーズン蓋を開けてみると…

イマイチだった。

本人自身、納得のいくパフォーマンスができた日はそう多くなかったのではないか?

インスタやツイッターなどを見ても、試合に関して色々思うことがあるようだ。

 

5月13日。

その谷口が昇格をかけた第2戦で大爆発!

MVPも取り、彼も久々に手応えを感じられたんじゃないかと思う。

 

谷口はどんな苦労を経て爆発したのか。

なぜ彼はそこまで今シーズン苦戦していたかを考察したい。

 

 

1.B2だとミスマッチが多い

谷口は日本の中でも珍しいタイプ。

デカい割にシュートエリアは広いし、シュートテクニックもそれなりにある。

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そして彼の本職はPF!

センターも務めることのできるという4〜5番の日本人選手である

 

しかし、残念ながら4〜5番の日本人選手というのはプロでも少ない。

多いのは3〜4番のPFとSFをどちらもできるという選手だ。

その背景として、プロになるとセンターは外国人(またはフォワード)、日本人はガードという完全分業をし始めること(この傾向が強いチームほど弱いけどね)。そもそも4〜5番を務められる身長や才能を持った選手が日本人には少ないことなどが挙げられる。

数少ない4〜5番で渡り合える選手がいたとしても、ほぼB1に在籍していることが多い。

そんなこんなで、とにかくB2だと谷口に合うマッチアップは少ない!

それこそ熊本戦で戦った中西ぐらいが対等なマッチアップ相手になるのではないか。

 

3〜4番の選手というのは、クイックネス能力が高いというのが特徴だ。

中外に素早くアクセスする能力が求められるからだ。

そして谷口はクイックネスの能力はそんなに良くない。

彼は走ることによる線で勝負するより、体をうまく使った点で勝負する選手だからしょうがない。

いくら体が大きくてうまく反応できたとしても、その次の2歩目3歩目には置き去りにされてしまう。

今季はそんなミスマッチが多かった。

ファウルも多くなるよね。

谷口としてはもどかしい気持ちだったと思う。

 

じゃあセンターに付けばいいじゃんと思うが、谷口はパワーで勝負してくるセンターと相性が悪い。

そこはミスマッチなので勘弁してほしい。

そうでなくてもどっちにしろ、センターが本職ではない谷口が相手となれば積極的に攻めてくる。

そうなったら我慢比べ。ミスマッチとは行かなくても、分が悪い勝負ではあった。

 

 

2.プレイエリアの変化に苦戦した

ペップバスケに秋田がなってから、谷口のディフェンスにおけるプレイエリアは劇的に広くなった。

以前は中を意識したディフェンスさえしてればよかったが、そうも行かない。

ローテーションを守るため、トラップやスイッチによるカバーなどで

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このトップ周辺に顔を出すことが多くなった。

ここから本来のインサイド周辺を守ることになっても、中外とリズムがついてしまうため谷口の負担は大きくなる。

一番最悪なのはどっちも中途半端に守れなくなってしまうことであり、ペップも谷口の扱いには慎重だった。

そこに一つ目のミスマッチ問題もあるので、相乗効果で谷口としてはてんやわんやだろう。

どこでしっかり守るのか、見極めに時間がかかっていた。

 

 

3.オフェンスでのメリハリ不足

谷口大智の強みを整理しよう。

  • 身長2mもある日本人で珍しいビッグマン
  • PFとして様々なインサイドプレイに対応できる
  • スリーが打てる
  • 体の幅を生かしたシュートがうまい
  • ミドルシュートが良い
  • 英語を喋れるので外国籍選手と連携が取りやすい
  • ワンピースオタク

まあざっとこんな所だろう。

これらのことを考えると

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青のプレイエリアから、ポストプレイやカットによる中へのチャレンジ

外への飛び道具スリー、スクリーンが標準的な立ち回りだろう。

だけど谷口はあまりそういったプレイはしなかった。

 

これは秋田のオフェンス戦術にも問題があるが(また記事にします)

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青のプレイエリアで1番の選手にスクリーンをかけるのが今季の谷口の多いパターンだ。

それはそれでいい。

しかし、谷口はスクリーンをかけ終わった後も青のプレイエリアをうろちょろする

外でプレイしろと制限をかけられているか知らないけれども、

定石のスクリーン後の中へのカットも少ない。

もちろんドリブルができるわけでもないので、青のところでもらってもシュートフェイクしかすることがなく、実質パスだけ。

んでようやく中に入ったと思ったら、今度はパスが入らない。

完璧青のプレイエリアでたまたまフリーになったら打つ人。たまーにサイドに開く。

つまり、単調な選択肢が多いので相手は怖くない。

オフェンスで谷口の存在感が薄いのはこのせいだ。

もっとチームが彼を生かす立ち回りをさせるべきだと思う。

谷口の外を生かしたいなら、なおさらもっと谷口をインサイドに使うべきだ!

シュートが打てなくても繋ぎのパス役をさせればいいんじゃないか。

兎にも角にも、もっとメリハリのある動きが必要だと思う。

俺はなんで谷口をずっと3ポイントの外で縛っているのかわかない。

 

 

以上3つが彼を苦悩させた大きなポイントだと思う。

まあ、めっちゃ損な役回りしてるなと感じる。しょうがない部分もあるし。

 

 

 

 

 

そんな谷口だが、

なぜ熊本戦はうまくいったかというと…

 

ビッグマンがスリーを打つという武器は「意外性」を持ってして生まれる。

お前そこでも打てるんかい!っていう武器。

 

つまりは相手にどれだけ不意打ちを喰らわせられるかということ。

 

でも熊本戦は立ち回りはそんなに変わってなかった。

敵を欺いたのは

「もらったら既にスリーを打つと決めていた意外性」

だったと思う。

今までだったら、ワンテンポ、パスコースを探す猶予を置いてから打っていた。

でも谷口は迷わなかった。めっちゃいいこと。

 

そして、これは持論だが

スリーを武器にしてるやつは、悩んで開き直った奴が一番強い!

もう頭ん中シュートだけ。

相手がチェックに来ようと距離があろうと気にならない。

そして、一本決まれば脳内麻薬が出る。俺はいけるぞと。

どこまでもいけそうな気がしてシュートタッチがすごく良くなる。

ちょっとのことじゃ止まらない。それがスリーポイントシューターの一番強い状態。

でもここまで行くのは本当に悩まないとなれない状態だとおもう。

谷口は今シーズンの苦悩を力に変えてそこまで行けた。

 

プロはどんな状況でもやるしかないからね。

MVPおめでとう。

 

 

谷口はこれからも厳しい目に合うと思うが、応援してる。

比江島より応援してる。

B2最終戦、最後にバシッと決めて、締めくくってくれ!